© 1981 JAPANESE DUTCH SHINZEN FOUNDATION
現代に、生きる智慧
SHINTO
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ポール・ド・レオというオランダ人の神主さん
が、日本の伝統を現代オランダで生かして、日蘭
相互の友情を高める活動をしていこうと努めてい
ます。レオさんが始めた協会は、今年の5月『日
蘭親善協会』と名称を改め、在蘭日本人の方々に
活動内容を知っていただきたいということで、か
わら版にご寄稿くださいました。
日蘭親善協会を始めるに至ったいきさつ
ライデン大学(現代文学と演劇専攻)卒業後、教
師となり、自分で演劇グループをつくりました。
その頃から日本の演劇に興味を持ち始めました。
1977年、パリでヨシ・オイダ主宰によるワークシ
ョップに参加しました。合気道、剣道、能のクラ
スがありましたが、その度に、床を掃除しなけれ
ばなりませんでした。ある有名なフランスの女優
が、拭き掃除はやりたくないと言い出したのです
が、それは認められませんでした。日本人の講師
によれば、掃除は日本諸芸術の根本であり、おお
もとの神道という根本に立脚しているということ
でした。その講師のひとりが、ある神道家と関係
があり、その神道の宗主とコンタクトをとってく
れました。その結果、日本に招かれ、神道の修行
を始めることができました。1979年の始めのこと
です。
《地鎮祭》
忘れられないのは、寒風吹きすさぶ早朝、はじめ
ての浜名湖での「みそぎ」でした。それが100カ日
の修行の始まりでした。大変な修行でしたが、掃
除、そしてみそぎに深い意味があることがわかり
ました。その経験を「我は鏡なり」という本にま
とめ上げました。
1981年に神道祭式を執り行う資格を得て、1990
年、アムステルダムのビュウウィンデンフイス
に、神道の修行と祭式を行なう場所を開き、8畳の
茶室も設けました。
これが協会の始まりです。
オランダに戻ってからは、神道の修行を指導
しました。体と心のバランスをとりたいとい
うオランダ人が多く、また自然とのバランス
も必要でした。その後も日本での体験を再び
思い起こすために何度か日本に行きました。
《七五三》
オランダの日本社会と日蘭親善協会の交流
ヨーロッパでは、神道祭式が徐々に行なわれ
るようになりましたが、普及はまだまだで
す。しかしながら、この協会を創立して20年
以上経った今では、祭祀に参列し、自然との
一体感を感じ取るようになったヨーロッパ人
も多いのです。
日蘭親善協会は日本企業のために地鎮祭、竣
工祭を、オランダはもとよりベルギー、ドイ
ツ、チェコなどでも行なっています。
オランダ人のカップルが神社にきて結婚式を
したこともあります。3才、5才、そして7
才になった子供達が11月に七五三のお祭り
を祝うこともありました。
また、日蘭親善協会日本文化を理解するため
に、教育団体、大学、高校、ビジネス関係者
を対象に講演などを通じて、自然の感性に基
づく内的な日本の一面を紹介しています。
日蘭親善協会は日本企業および在日本オラン
ダ企業との交流を求め、教育など様々なサー
ビスや体験を通じ、日本とオランダの相互理
解に貢献しつつ、社会的また経済的成長を目
指しています。
(日本語訳:小室慎一)
JCC かわら版 182号 (2003年11/12月)
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